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[野方の家] 良質な自然素材を使う

「野方の家」では、人体や建物の健康を保つ良質な自然素材を使っています。
今回はその中で、仕上げ木材、左官材、構造面材、畳について紹介します。


仕上げ木材 -屋久島地杉



「野方の家」の建物の外壁、フローリング、浴室壁、丸太手すり、デッキなど多くの場所に、屋久島由来の「屋久島地杉」を使っています。

屋久島は豊臣秀吉の時代、方広寺大仏殿建立にも使われた良質の木材の産地で、その木材は

・高い強度
・油分が多く耐久性・耐候性に優れる
・防アリ・防ダニ効果
・α-セドロール(心身のリラックス効果を生む要素)が多い

という特長をもっています。

加えて「屋久島地杉」は、林業が抱えている問題を直視し、それに取り組んだ製品でもあります。

現在、国内の林業は、”良質な木材にも関わらず限られた用途にしか使われない”、”メンテナンスが行われず山が荒廃していく”といった深刻な問題を抱えています。
屋久島では再び島の林業を活性化させようと製材所・メーカーが立ち上がり、製品化プロジェクトによって、この「屋久島地杉」が生まれました。

赤みがかった美しい木材はずっしりとした重みがあり、経年変化でさらに深みのある風合いになっていきます。

外壁
内装の木材の多くも屋久島地杉


左官材 -麻炭と漆喰



断熱・気密性能の高い空間は、室内の温度を外に逃がさないと同時に、室内の湿気も抜けにくくなります。

内装材も防湿・防カビ対策のため、調湿作用がある良質の素材を選びます。

「野方の家」では、あらゆる場所に「麻炭」を塗り、さらに内壁・2階の天井は麻の茎をまぜた「漆喰」で仕上げをしています。

この「麻炭」「漆喰」には、次のような特長があります。

・消臭、抗菌
・有害物質、毒素、放射性物質の吸着(麻炭は備長炭の4倍の多孔質性を持ち吸着力に優れる)
・石灰が持つアルカリがカビの発生を防ぐ
・室内の湿度が高くなると湿気を吸収、低くなると放出
・シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを分解
・帯電、静電気のアース効果
・マイナスイオンの放出
・左官職人の手作業による塗り(自然のゆらぎ・美しさ)
・土に帰る還元物質

麻炭は
麻の茎を炭化させ、酵母菌・乳酸菌・光合成微生物など有用微生物を含ませ、何日も乾燥させ、パウダー化したもので、手間ひまかけた貴重な素材です。

今回初めて使いましたが、塗り終わったあとの現場は新築特有の新建材・接着剤の臭いがほとんどしません。
消臭の大きな役割をしている事を体感しました。

麻炭の上に漆喰を塗った空間は、森林浴に似た空気の清々しさがあり、ゆらぎがあり、穏やかな居心地のよさを感じます。

この心地よさは体感してみないとわからないので、ぜひオープンハウスにいらして頂きたいです。

左官職人による麻炭の下地はとても美しく、漆喰で上塗りされるのがもったいなく感じました。
 空調ルート(1階天井)にも。
空調ルート(基礎)にも。ここだけは石灰を混ぜた麻炭を使用。
クローゼットは建主自ら、麻炭の上に漆喰を塗る。
麻炭に漆喰を塗っている最中
排熱用の高窓から柔らかい光が滑り込む


構造面材、空調の通り道 -MOISS(モイス)



「野方の家」は準防火地域なので、板張りの外壁を実現にあたり2つの選択肢がありました。

1.板自体を不燃加工する
2.防火・耐火性能を持つ耐力面材と組み合わせる

1を選ぶと材の自然の質感がなくなり、かつコストが高くなることから、2を選び、さらに耐力面材の中でも自然由来で環境負荷が小さいMOISS(モイス)を選びました。

MOISSには、

・室内の湿度が高くなると湿気を吸収、低くなると放出
・ホルムアルデヒドなどシックハウスの原因となる有害物質を吸着
・臭いの原因となるアンモニアなどの化学物質を吸着
・カビやダニにとっての栄養分を含まない
・結露が生じにくい
・気密性が高く、外環境の影響を受けにくい
・耐力面材(高い防火・ 耐火性能)
・土に帰る還元物質

といった、特長があります。

「野方の家」では、外壁(柱の外側の構造壁)、および、空調の通り道(1階天井裏)、水回りの仕上材に利用しています。

構造壁
室内から見た様子
1階和室の天井


別のブログでお伝えしますが、「野方の家」は、基礎(床下空間)も空調ルートになっています。
ここにもMOISSの切れ端を袋に入れて置き、その特長を効果的に生かしています。


畳 -合鴨有機本畳



「野方の家」にある和室には、国産(福岡県の矢部川流域)のイグサを使った合鴨有機本畳を使いました。
この畳は

・無農薬のイグサを利用
・化学薬品をつかったドロ染めをしない
・シックハウス、化学物質過敏症などのアレルギーをおこさない
・通気性に優れ湿気、カビを防止

一般的な畳は、中国のイグサを使いその表面を「ドロ染め」する際にドロと薬品を混ぜます。一方、この合鴨有機本畳は「ドロ染め」をしないため、化学薬品によるアレルギーに敏感な方にもおすすめです。

畳床には合鴨の稲藁、畳裏には麻布針、中敷きには竹炭シートという構成で通気性に優れ、湿気・カビを防止。

時間と手間を惜ししまないこの畳も、本物の藁床をつくる技術を守り伝えていくためにプロジェクト化された製品です。


暮らしの本質をとらえた良質な素材で、家づくり。
作り手・職人の思いが重なり、建主が日々過ごす空間が出来上がりました。

次回は「野方の家」の断熱・気密について書きたいと思います。


冨田 享祐

DATE2020. 9. 30
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WRITER冨田 享祐